水戸芸術館現代美術ギャラリー『ライフ』展 (原画とインスタレーション)

 会期:2006年7月22日から10月9日
 
 出展作家:今村花子、岡崎京子、川島秀明、齋藤裕一、佐々木卓也舛次崇、棚田康司、西尾康之ハスラー・アキラ、HEARTBEAT DRAWING,SASAKI、日野之彦、山際正己、吉永マサユキ


 展示内容:

お金がなくてパンフレットが買えなかったので、記憶によるものです。一部嘘かも知れません


 展示概要:入場してすぐにほぼ等身大ハルナと山田君。キュレーターとしてはこれで『ライフ』の世界へ引きずり込む意図だったようです。もう連れを無視してハルナへダッシュ。身長160cmの私より少し小さい感じだったので、おそらく150cmくらいでしたね。入場後一分未満でオタクスイッチオン。リバーズ・エッジの展示は八番目だったので、そこからはぼちぼち他の作家の作品を眺めたり、森村泰昌スペシャトークを聞いたり。
 岡崎京子の展示は、おおまかに言うと長方形の廊下的なスペースでした。前半三分の二はリバーズ・エッジ、後半三分の一はチョコレートマーブルちゃんという配分でした。入り口右手壁面にリバーズ・エッジ単行本159・158Pを引き延ばしたものが壁面にプリントされ、壁面のプリントが終わったところからリバーズ・エッジの扉絵。左手にはリバーズ・エッジ単行本表紙原画から始まって、『CUTIE』やリバーズ・エッジ原稿とリバーズ・エッジ扉絵、これでリバーズ・エッジゾーンが終了して、チョコレートマーブルちゃんへ。
 右手に原稿が展示され、ここは「お花畑に行こうよ!」というシーン。原稿を見てから右手壁を見ると、単行本74・75Pの聳え立つ団地。正面(出口横)の壁面に84・85Pのそらと『おはよう』『こんにちは』。台詞を読み進んで左手壁を見ると、70・71Pのお花畑で超幸せそうな二人の絵。



 感想:『ライフ』展全体としては、見せたいものと見せているものがかなり一致した良い展覧会になっていた。目当ての作家があってもなくても、参加作家が一定の実力を持った上に伝わりやすい展示をされているので、双方満足できるものとなっていた。
 岡崎京子の展示は、二作品に絞り込んだ上でほとんど原画自体の展示となっていたリバーズ・エッジインスタレーション的に展示されていたチョコレートマーブルちゃんと展示方法に減り張りをつけることにより、スペースと展示内容が程よいバランスになっていた。リバーズ・エッジではハルナが卑怯であったり優柔不断であったりする部分は展示されておらず、またチョコレートマーブルちゃんではストーリー展開を攪拌したインスタレーションがおこなわれ、展示室全体が岡崎京子作品の登場人物達が妄想及び希求して手に入れられない「南の島」のようであった。